1.診療報酬とは
2022年に診療報酬の改定がありました。
診療報酬の動向を知っておくことは非常に大切で、診療報酬からいまの日本の課題が見えたり、私たちの生活にも影響していきます。
あわせて、医療保険の記事も参考にしてください。
医療機関に支払われる対価のこと
診療報酬とは、医療機関に支払われる対価のことです。
2年に1度見直されます。
診療行為や看護行為に対する「報酬」ともいえます。
このサービスに対する報酬は、
医療保険では「診療報酬」
介護保険では「介護報酬」といわれます。
診療報酬本体と薬価
診療報酬は、医師や看護師らの人件費にもあたる本体部分と
薬などの値段の薬価部分にわけられます。
厚生労働省の発表によると、2022年度診療報酬改定は全体として、-0.94%下げることになりました。
ただ、医師や看護師らの人件費にあたる本体部分は+0.43%の上げ幅になります。
薬価部分を引き下げるたということですね。
公的価格がある
日本は国民皆保険制度でいつでも、どこでも医療を受けられる素晴らしい国です。
提供される技術、サービスをすべて点数化して、1点10円にして計算されます。
公的価格ということは、A病院にいっても、B病院にいっても、診察台や処方されるお薬のお値段は一緒です。
例えば、みなさんがケーキ屋さんに行った時をイメージしてください。
A店のガトーショコラは1500円でしたと。
しかし都内の有名シェフが作ったガトーショコラは2500円でした。
このことは普通にありますよね。
しかし医療は公的な価格で決められているので、
この医師はTVに出てすごく有名で腕も確かだから、診察代が高くなる!ということはない訳ですね。
すべて技術、サービスが点数化されて、1点10円の公的な価格で決定されている。ということを覚えてください。
みなさんが、風邪で病院に受診したときのことを思い出してほしいんですが、
保険証を提示して窓口負担は1〜3割だと思います。
診療報酬の仕組み
診療報酬の仕組みは以下の図のとおりです。
印をつけている審査支払い機関から、診療報酬を受け取っています
2.診療報酬の決め方
診療報酬は、医療機関がサービスに対する対価として受け取る報酬のことです。
この診療報酬は、2年に1度見直されることが理解できたと思います。
それではこの診療報酬制度は誰が決めているのでしょうか?
それは、厚⽣労働⼤⾂が、中央社会保険医療協議会(中医協)での議論を踏まえ、決定しています。
中医協とは、厚生労働大臣の諮問機関です。
医師や学者などえらい方が集められて、調査して個々の医療行為に対する単価の見直し内容を決めています。
3.診療報酬と私たちの暮らしへの影響
診療報酬が上がれば・・
診療報酬と私たちへの暮らしは一見関係ないように思われますが、密接に関わっています。
なぜなら公的なサービスであり、私たちが支払っている保険料で一部賄われているからです。
診療報酬が上がる、つまり医療サービスの値段があがれば、患者側の自己負担が重くなるし、診療報酬が下がれば、サービス提供者の収入が減る訳です。
誰が負担を持つか?という綱引きをしている状態なんですね。
日本は医療費が急増していく
国民皆保険制度は、「みんなでお金を出し合って支えあっていきましょうね」というコンセプトでもあります。
しかし、少子高齢化で医療を受ける側と医療を負担する現役世代のバランスが崩れており、というのが非常に厳しい状況にあります。
2022年から団塊の世代が徐々に75歳以上になっていき、医療費も急増していきます。
今後の日本の問題点についても以下の記事を参考にしてください。
この医療費増加を抑制するためにも、今回薬価を1.3%程度引き下げる狙いがありそうです。