手取りが減少していく日本
給料は上がっても、生活が豊かになった実感がなかったり、給与明細を見て、こんなに引かれるのか・・と唖然としたことはないでしょうか。
理由の1つに、社会保険料負担の増加があります。
社会保険料は83.9%の増加率
大和総研の家計調査によると、
社会保険料の増加は1988年から2017年の間に83.9%増加していると発表されました。
「二人以上の勤労者世帯」の全国平均値)の収支
https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20180621_020168.pdf
平成における家計の負担増加は主に、社会保険料の増加によってもたらされているといえます。
社会保険料の増加は日本では避けては通れない問題なんです。
負担増加の背景
医療を受ける人と支える人のバランスが崩れている
社会保険料増加の背景には、医療を受ける人とそれを支える現役世代のバランスが崩れていることがあります。
日本は国民皆保険制度で、高品質な医療を誰でも受けることができます。
医療保険制度は、医療保険での記事でも解説した通りに、保険者によって支えられています。
詳しくは医療保険の記事も参考にしてください。
健康保険組合の保険料引き上げ
健康保険組合による保険料の引き上げが相次いでいます。
全国に約1400ある健康保険組合の半数が2021年度の保険料収入から医療費を差し引いた収支が赤字だったようです。
それは現役世代の健保組合から65歳以上の高齢者医療へ仕送りしていることが原因としてあげられます。
医療を受ける側と支える側のバランスが完全に崩れている状態になっています。
健康保険組合の赤字が続けば、もちろん現役世代の保険料を引き上げる他なくなるので、
保険料を引き上げる=手取りが減っていくということになります。
この制度を維持するためには、以下の議論がよくされます。
・現役世代の負担を引き上げるか
・窓口負担(本人負担)を引き上げるか
窓口負担を引き上げるために、2022年10月から一定以上の所得がある高齢者の負担が引き上げられました。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。